日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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文庫派の私にしては珍しくハードカバー。
いつだったか実家に戻ったときに、母上から進呈されたものに、やっと着手。重くて持ち歩けないから、就寝前のひとときに。

そんな夜更けにひっそりと読むのがふさわしい。

ふつうの人に、突然ふりかかる不幸な出来事。
そんな時に見え隠れする、人の心の闇。
見たくなかった人間の醜い心。
それは愛情や親切と紙一重に存在する。

どんな人にでも不幸はふりかかる事がありえるし、ごくふつうの人が恐ろしい事をしでかす時もある。
そう、きっと私も。
それを承知で、その上で闇をのりこえ、幸せになるよう努めるべきだ。
と、言われてるかのようだった。

川崎の旅籠屋の娘、おちかは、実家で不幸な事件に出会い、心を閉ざしたまま、江戸にある叔父夫婦の元に預けられる。

そこで、叔父の道楽に付き合わされ、摩訶不思議な話を叔父に代わって聞き集める、という仕事をすることに。
そのうちに、
「大変な目に遭ったのは自分だけではない」
という、決して仲間意識とか優越感ではない共感や、さまざまなものの見方を得て、少しずつ強い心を得るようになる。

この、訪れる客が語る物語が、えもいわれず怖い。
人の心の闇と、怪奇ホラーがちょっとずつ入り混じって、怖さの中に人の弱さが持つ悲しさが見えて、とても上手いと思う。

客が語る物語の一話一話は面白いのだが、最後に、それまでの話や登場人物が全てつながるようになるのが、やや強引。そして突然ファンタジーというか、それまでは妖のものは、その影らしきものは見えても本当に存在するかどうかわからない、くらいかすかな存在だったのが、堂々と現れて、おちかと対決する羽目になる展開に、違和感を感じる。
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