日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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息苦しいほどの柏の葉の緑。
その葉で黒く染めようとした糸が、思わぬ鮮やかな珊瑚色になる・・・とか。。

さやえんどうの若くてみずみずしい緑、とか・・・
この人の小説では色がとても印象に残る。

蓉子、与希子、紀久、マーガレット。
4人の女性が、古い日本家屋に下宿する。
そこは、蓉子の亡くなった祖母の家。網戸もエアコンも無い、あたたかい木の手触り。庭に咲く花、野草たち。そこは時が止まったような空間。

4人はいずれも、手仕事を好む。
草木を使って糸を染めたり、機織りをしたり、羊毛をつむいだり・・・。

そして、かつては話すことができた、という蓉子の持つ市松人形、りかさん。

おだやかな4人の生活が、日本家屋のやわらかい情景と共に、丁寧につづられて和んでいると、後半は一転、オカルトというかファンタジーというか、過去からの因縁がつむがれ、意外な展開に。
それに、織物の歴史やそれを支えた名もない女性たちへの考察が入ったり、異国からの手紙が混ざったり、ナンダこの展開は??と思っているうち、ラスト、激しいあでやかな1枚の画(え)をまぶたにやきつけて、終わる。

ぎっしり詰め込まれてるけれど、読んでて不快にならない。織物や手仕事、異国の文化に対して、著者の考え方が深くしっかりしたもので、それを重くならず、けれどしっかりと書いているからだろう。なんとも言えない不思議な印象が残る。
この作家さんは、もう少し読んでみたい。
本作は、「りかさん (新潮文庫)」という本の、続きらしい。次はそれかな。

コメント
この記事へのコメント
梨木果歩さんという作家さんの、ものごとの受け止め方には、ぼくにも深く同感するところがあります。
何冊か読んでいかないと、わかりにくいかも知れません。エッセイにも味わい深いものがあります。
「手仕事」というのは、ひとつの大きなキーワードだと思います。
2009/01/19(月) 21:13 | URL | ディック #22hNL7Yc[ 編集]
「西の魔女」「家守綺譚」では単に自然との生活をキレイに書く人だなーと思ってたのですが、文化とか歴史とか社会の成立ちを深く考察して自分の考えを小説化できる人なんですね。「からくり」でその一端を垣間見ました。他のも読んでその世界観を味わってみたいです。
2009/01/20(火) 13:09 | URL | homamiya #-[ 編集]
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