日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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この本は、読む前に、「ディックの本棚」というブログで、「たしかにすごい職人芸だけどあまり・・・」という書評を見てしまっていたので、その影響を受けて、「うーん、たしかに技はあるけど心がないような・・・?」という気持ちで読んでしまった。

伊坂幸太郎にとって、この作品は、技の練習なのではないだろうか?

登場人物たちの折り重なり、微妙に関わり、もつれ、わずかな奇妙な接点が次第に大きくなって、あるとき、全貌がぱっと開ける。その展開は、実に見事。
こういう技術は、この他の作品にも生かされていて、そしてこの他の作品は、心も入っていて、面白いものがたくさんある。

それにしても。よく、これだけたくさんの人物を同時に動かせるなあ、と感心する。
AとBは仙台へ同行し、その共通の知人Cは昔の同級生Dと、久々の再会を果たす。DとEはマンションで偶然出会い、Cの妻Fは、Gとハカリゴトをしていて、その途中にEと会う・・・とか、こんな感じで、場所をずらし、時間を前後させ、ちょっとずつちょっとずつ登場人物たちが重なるようにすすんでゆき、次々と謎が出てくるのがちゃんと別の場所で解明されて・・・、見事である。

また、他の作品「オーデュボンの祈り」の主人公のうわさが出てきたり、「チルドレン」でおきる事件が作中でニュースとして出てきたり、というリンクが見られる。
この作者の頭には、広大な世界が存在しているのではないだろうか?
その頭の中の世界には、いろんな人がいていろんな出来事が起こっていて、伊坂幸太郎はそれらを神のような視点で眺めていて、伊坂小説は、その世界の出来事の一部を切り取って作っているのではないだろうか。と思わず思ってしまうような。
コメント
この記事へのコメント
『死神の精度』『魔王』『砂漠』など、ほかにもおもしろい作品はたくさんありますから、自分の気に入った伊坂さんを見つけましょうね。
ぼくはたまたまこの『ラッシュライフ』が最初で、下手をしたらそのまま伊坂さんを読まないですませてしまいかねないところでした。
2008/12/07(日) 21:43 | URL | ディック #22hNL7Yc[ 編集]
『死神の精度』『魔王』『砂漠』他、ディックさんが★4つ以上つけていらっしゃる作品、まだ未読のものが多数あるので、今後の楽しみの1つです。
最初の1冊が合わないと、なかなかその作家さんに手が出ないですが、思い切って出してみると、2冊目はすごく面白かったりするのが、本との出合いの面白いところだと思います。
2008/12/08(月) 13:20 | URL | homamiya #-[ 編集]
じつは先週『ゴールデンスランバー』を読みました。
いやあ、手放しで賛美したくなる物語! でしたよ。感想はゆっくりと書きます。
2008/12/14(日) 22:10 | URL | ディック #22hNL7Yc[ 編集]
『ゴールデンスランバー』面白いですか!伊坂幸太郎は筆が早いのか、たくさん出てるので次々と読む本があって楽しみですね
読み終わったら是非感想書いて下さい
2008/12/17(水) 10:33 | URL | homamiya #-[ 編集]
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ラッシュライフ  リストラで職を失い再就職先の見つからないサラリーマン、自分なりのポリシーをもった空き巣狙い、情夫と一緒に夫を殺す計画を立てている女性精神科医、金で買えないものはないという信念の画商と、彼と旅行中の女性画家、宗教団体の下部組織に使われ...
2008/12/07(日) 21:45:39 | ディックの本棚
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