日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
しゃばけシリーズ5作目は、初の長編モノ。

箱根へ湯治の旅に出る若だんな。生れて初めての旅先で、いつも過保護で決してそばを離れない守役の妖(あやかし)2人とはぐれ、人にも妖にもなぜか狙われ追い回される始末で、ワケのわからない事ばかり。

物語がすすむうち、少しずつワケがわかってきて、からんだ糸がほぐれて壮大な広がりをみせてゆく。のだが、このすすみ方に今イチ勢いがなくて、物足りなく感じてしまった。

どんな危機一髪の時も、波乱万丈な時も、守役の妖たちは、とんちんかんな位、若だんな一筋で若だんなにとことん甘い。その掛け合いっぷりは相変わらずで、場面にそぐわない心配性なセリフと、独特の間が、面白い。

気楽に見える若だんなにも、ひ弱な自分が店を継ぐことへの不安がくろぐろとうずまいている。

『どうにもならない事が起きたとき、どうしてる?』の問いに対して
『あちこちへ行くのさ』
『出来ることを増やしてるんだ。するともっと、やりたいことが出てくるから、不思議だよ』
という、心持ちが健気。

『「生れてきた者は皆、強いとこも弱いとこも、どっちも身の内に持ってるもんらしい」
だが、強いところ表に出すには、鍛錬がいる。』
その鍛錬の一歩目が、若だんなの言うように、「出来ることを1つずつ増やす」ことなのではないだろうか。

人を、どうしようもない弱い生き物として描きつつも、強さも持っているとして、そのためには、できることをまずやろう、その一歩の大切さを教えているのかしら、と思う1冊。
青臭いけれどもこういうテーマがあるのがしゃばけシリーズのよいところ。だが、今回は長編の割に、そのテーマがあまり色濃く出ておらず、ハッと胸をつかれるようなエピソードとからんだ表現が少なかったように思える。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://homamiya.blog46.fc2.com/tb.php/82-21b14833
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。