日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
池袋ウェストゲートパーク シリーズ6冊目。
リズミカルで軽快な文章が相変わらずで心地よい短編集。

池袋でトラブルシューターとして名を馳せてきた主人公マコトの元に、さまざまな依頼人が訪れる。
ヤクザ、ストリートギャング、警察にまで多彩なマコトの友人が丁度良くからんで、あっという見事な方法で片を付ける。
というストーリー展開はマンネリ化しているのだが、その過程で、『世の中にはいろんな人がいて、どんな人もそれぞれに幸せになる権利があるんだ』というこのシリーズのテーマ(だと私は思っている)がブレず、きっちりと、表されていて、またその表し方が、とてもいい物語になっていて、安心して読める。

「野獣とリユニオン」が特によかった。

加害者にも事情があって別な被害者だったとして、「被害者は加害者を許せるのか?」という、ありきたりなテーマ、そして「許した方がいいのでは」というありきたりな回答なのだけど、それを見せる物語がよくて、ストレートなストーリーで、あまりヒネリもないのだけど、単純な私はすっかりやられてしまった。

『ぼくたちはよく犯罪者のことを、あんなのは人間じゃないといういいかたをするね。もちろん、どうしようもないケダモノがいるのは確かだけど、みんながそうだとは限らない。ぼくを襲った相手が、理解不能なケダモノではなく人間だとわかれば、憎しみの気もちが変わるような気がするんだ』
『相手を人間じゃないものにして、恐れたり憎んだりし続けるのは、きっと自分の心のためによくないと思う。(略)憎しみの場所にいつまでも立っていたくない。まだあいつが憎いけど、それを越えていきたい』

すごくストレートで立派で感動的なこの台詞。
こんな台詞、いかにも物語風にキレイゴトなのだけど、このストレートさが、この物語によく合っていて、それを「嘘くせー」と思わせずに一気に読ませるのが、さすが。
コメント
この記事へのコメント
読んだのが07年の1月なので細かいところは憶えていませんが、「野獣とリユニオン」は読者を泣かせるよい作品だった、という印象があります。
このシリーズは、最近また新しい単行本が出ているようですね。この『灰色のピーターパン』に匹敵する作品揃いだと嬉しいのですが、どうでしょうかね。

homamiya さんはどんな読書傾向の方かな、と前のほうを遡っていくと、三割くらい重なっていそうです。慶一郎さんとか、佐藤賢一さんの名前が出てくる方はあまり見つからないので、うれしく思います。
2008/11/16(日) 16:16 | URL | ディック #22hNL7Yc[ 編集]
ハードカバーでお読みだったのですね。私は文庫派なのでいつもちょっと遅めです。
慶一郎さんや、佐藤賢一さん好きです。時代小説好きなのです。池波正太郎さんや、平岩弓枝さんの御宿かわせみシリーズも愛読してます。慶一郎さんは、マンガの「花の慶次」から入りました。ディックさんのブログ探しましたが、慶一郎さんの感想文は見つけられませんでした。
時代小説がお好きでしたら、古代中国・宮城谷昌光さんの「晏子」面白いのでオススメです。
2008/11/16(日) 23:53 | URL | homamiya #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://homamiya.blog46.fc2.com/tb.php/78-e809af66
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。