日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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ローマ人の物語」、「ガリア戦記」、とカエサルのガリア遠征モノを読んだので、続けてもう1冊。
西洋歴史モノに強い佐藤賢一の「カエサルを撃て」を、再読。

私の中での佐藤賢一の傑作「カルチェ・ラタン」と「王妃の離婚」に比べれば、物足りない感がある小説だが、「ローマ人の物語」「ガリア戦記」はカエサル(ローマ)側からの視点なのに対し、この本はガリア側からのハナシなので、視点が変わって面白い。

カエサルのガリア遠征の最後を飾る決戦の相手、ウェルキンゲトリクスが主人公。
まとまることが苦手なガリアのほぼ全部族を、逆らう者を厳罰に処すという苛烈な方法でまとめあげてカエサルに立ち向かった美しい若者。

この本ではカエサルは、若い頃の情熱を失い、上手に生きてくだらない地位を守ろうとする、ダメなハゲ親父として描かれている。(ローマ人の物語とはエラい違い・・・)
何にでも気をつかってしまうお人よしの自分とは対照的に、全ガリア統一という目標に向かって、どんな残酷なことでもでき、自分を貫ける敵将の若者を、カエサルは美しい、と思う。
そして、自分がダメな男になっていた事を、認める。
認め、再生する。
佐藤賢一は、中年男の再生物語を書くのがうまい。これもその1つ、実は主人公はカエサルの方なのでは。

「」でくくられない部分にも登場人物たちのセリフがずらずらと続き、それが独特の文体になっているのが私は割と好きだが、好みは分かれるかもしれない。

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