日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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キャラ:○ ストーリー:◎

「僕」が中1の夏、僕の一家が、見ず知らずの男から5億円を遺贈される事件「今夜は眠れない」、の続編。

●僕が、恋をした。
その相手、大好きなクラスメイトのクドウさんが殺された!?
と思いきや、被害者はクドウさんに良く似た従姉。
でも、そのせいでクドウさんも無責任な噂にさらされ、元気をなくしてゆく。
見かねた僕は、沈着冷静で聡明な親友・島崎と、彼女を元気づけるべく、事件の真相をさぐる。

無駄のないストーリー運びで、一気に読まされる。

僕の目、ひいては宮部みゆきの目は、実によく人を見ている。
クラスメイトに対しても、犯人に対しても、被害者に対しても。

そして、犯人と、被害者。
そこに殺人があっても、宮部作品では「どのように殺されたか?」トリックは、あまり重要ではなく、長いページを割いて書かれるのは、「どうして殺されたのか?」

犯人はどんな人なのか?
どんな理由があったのか?
被害者はどんな人だったのか?何を考えていたのか?どうして殺されたのか?

宮部みゆきがそこにこだわるのは、作中に出てくる、犯罪に対する下記のような考え方のせいなのかもしれない。

「ロッキード事件を転換点に、日本にはよいイミでも悪いイミでも『絶対の権力』がなくなり、犯罪は、本物の陰謀とか社会悪というものではなく、個人の心のなかだけに筋の通った動機や申し開きのある、行きずり型になってきた。
国をゆるがす陰謀や、社会構成から生まれ出る不公平や貧困、あるいはイデオロギーに突き動かされた結果ではなく、個人の心の欲望とか欲求という、きわめて基本的だけど、ある意味では外部の人間には永遠にわからないものから生まれている。」

「推し量ったり解釈はできても本当に理解することは不可能」と言いつつ、でも宮部みゆきは、それを個人のことなんてわからない、と放置しないで、例え1つ1つ小さなことでも取り上げて考えて、理解したいからなのかしら?と思った。


親友・島崎は、前作につづいて名参謀役。
だが、今回は、途中から様子がおかしくなる。
僕に隠し事を、している。
それもなんだか、悲痛な様子で。

僕はそれに怒り、事件の真相とともに、親友が隠していた事実もつきとめる。
自分のために隠してくれていたことも。

ラスト。人生の真冬の直撃をくらって吹雪が荒れる傷心状態で帰宅した僕を、島崎がマンションの入り口で待っているシーン。
ごくごく短い会話をかわすだけなのだが、ああ、男の子の友情っていいなあ、と言葉にすると俗っぽいけど、そういう風に思ってしみじみ終わる名シーン。


コメント
この記事へのコメント
主人公が中学生でも、容赦なく重いお話でした。

トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
2009/07/22(水) 17:36 | URL | 藍色 #-[ 編集]
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