日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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海の美しい田舎で、少年が過ごした夏休み。そこで起こる殺人事件。
事件のトリックや動機はあまり納得がいかず、ミステリーとしてすごく面白い!わけではないが、少年と湯川准教授のやりとり、夏らしい描写、偏屈な少年が学ぶ意味・科学の楽しさを知り、負わされた重い枷に対して「いろいろなことをいっぱい勉強して、それからゆっくりと答えを探そう。僕は一人ぼっちじゃないんだから。」と思えるようになるラストが爽やかで良い。

少年の伯母一家の経営する旅館の客が、変死体で見つかる。
客は元警視庁の刑事。何のゆかりもないこの土地に、何をしに来たのか?なぜ殺されたのか?
客がこの町にやってきた理由を、東京で刑事たちが少しずつ明らかにしていく過程も、読み進むたびに手がかりが増えていくのが快感。

科学についての湯川の言葉。

「人類が正しい道を進むためには、この世界がどうなってりうのかを教えてくれる詳しい地図が必要だ。ところが我々が持っている地図はまだまだ未完成で、殆ど使い物にならない。だから二十一世紀になったというのに、人類は相変わらず間違いをしでかす。戦争がなくならないのも、環境を破壊してしまうのも、欠陥だらけの地図しか持ってないからだ。その欠けた部分を解明するのが科学者の使命だ」

それを「僕には関係ない」と言う少年に対してさらに、人類というと大げさに聞こえるが、人が何か行動するときの選択に科学が必要だ、と教える。
たとえば海に行く予定があれば晴れるかどうか天気を知りたいだろう、と。
その天気予報だって、地元の漁師が天気を知るのだって、科学だ。理科の勉強が役に立たないなんて、天気図の見方を覚えてから言うべきだ、と。

「理科嫌いは結構だ。でも覚えておくことだな。わかんないものはどうしようもない、などといっていては、いつか大きな過ちを犯すことになる」

そして物語ラストで、少年にかける言葉。
「どんな問題にも答えは必ずある」
「だけどそれをすぐに導き出せるとはかぎらない。人生においてもそうだ。今すぐには答えを出せない問題なんて、これから先、いくつも現れるだろう。そのたびに悩むことには価値がある。しかし焦る必要はない。答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないんだ」


★★★☆☆真夏の方程式-----東野圭吾
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