日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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ハイジャックされた飛行機のトイレの中で、殺人事件が起こる。ハイジャック犯たちは、たまたまそこにいた頭の回転の良さそうな青年に謎解きを依頼する。人質となった250人の乗客は席に座ったまま、犯行現場のトイレの前でハイジャック犯たちと青年のやりとりだけで、物語が進む、というのは面白い手法だが、動きのない会話だけで進めるにはやや力不足な感があり、ああでもないこうでもない、とさまざまな仮説やその反証を延々とされるくだりはやや退屈。
基本的にふつうの善人である犯人たちがハイジャックに至った動機、その結末は非現実的なファンタジー要素をうまく組み込んでアイディアとしては面白い。個々の要素として面白いものはあるが、全体のストーリーや雰囲気がなんだか退屈で、納得がいかない。

ハイジャックに集中したいから、と無関係の青年に謎解きを依頼しておきながら、犯人たちも青年の相手をずっとしていて、結局あんましハイジャックに集中できていないあたりも気になってしまった。

殺人事件の重要なアイテムの1つである「文字が書かれたペーパータオル」が発見されるものの、血に染まって文字が読めず、真相に近づくのが難航するのだが、血に染まったのは偶然でしかなく、犯人の意図したトリックに対する謎解き、というよりも、たまたま発生した不思議な事件を、ひも解く、というのが雑な感じがすする。
帯の「かつて、こんなに美しいミステリーがあっただろうか」で、犯人の意図した緻密なトリックを期待して読んだからかもしれない。殺人事件については、偶発アクシデントが複雑にした事件の正解探し、動機探しを楽しみ、物語全体は、いろんな要素を盛り込んだ何だか不思議な物語を味わう気持ちで読んだ方が楽しめるのかもしれない。
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