日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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さすが名手、宮部みゆき。語りが巧い。
ややホラーな5つの短編がおさめられている。
人の弱さ、強さ、身勝手さ、妬み・・・を巧みに物語に織り交ぜてくるから、読んでいて自然に心が揺さぶられる。

最初の「雪娘」は、視覚的な印象が強い。雪が降り積もり真っ白な街、灰色の壁の無機質な場所に、赤いパーカと赤いマフラーの少女の遺体、という光景が目に浮かんでそれがずっと頭にある状態で読んだので、話がより寂しくうす寒く感じられ印象に残った。

「チヨ子」は何となく日本人形をイメージしていたが、実はウサギのぬいぐるみなのが、意外だった。前2編が人の弱さを描いて悲しい話なので、余計に「チヨ子」で描かれる人の強さは、心強くて励まされる。短いけれど、いい話だ。

幽霊騒ぎから発した噂の真相を確かめたいという娘を手伝う父親の話「いしまくら」は一番面白かった。因果応報を描いた「石枕」という昔話を持ち出し、日本人に根付いたこの考え方は次第に消えていっている、その代わりにひどい目に遭う人はそれなりの理由があるという考え方の浸透や、その背景を語り、さらに娘の偏った調査の仕方を見抜いたり、調査の結果が思わぬ真実を見つける所とか、この短さでここまで盛り込んでそれでいて面白さを保っているのは、さすが。

「聖痕」は神とか正しさなどがテーマで、短編で語るにはやや重いせいか、話が唐突で、物足りなさが残る。
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