日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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アリと言えば世間では働き者として知られているが・・・から始まり、その実、ある瞬間を切り取ると、アリの巣の中では7割のアリが「何もしていない」事が観察された。継続的に観察しても、ずっと働かないアリもいる、という導入部分は、興味をそそられる。

全員が一斉に働いて一斉に疲労するより、余力を残しておいた方がよいという群れとしてのメリットや、個体によって刺激に対する反応の違いがあるために、一定の刺激があってもそれで働くアリ・働かないアリが存在するという仕組みなどを、わかりやすく紹介してくれる。

人間のように、どう社会を作ったらよいのか考える個体がいるわけでもないのに、うまく集団での社会が成り立つ虫の世界は、なかなか面白い。
それをわかりやすく解説していて読みやすいが、ページをめくるのがもどかしいほどのドキドキ感はなかった。同じ科学本なら、福井伸一の本の方がドラマチックで面白い、と思った。

エピローグにある、大学の学生が、著者の説明にいったん納得したのに、後から「先生の言ったことは教科書に載っていません」と言ってきたのに対して、

「君は自分の頭で納得したことより、教科書に書いてあるかどうかを正しいかどうかの基準にするのか?科学者は、正しいと思ったことは世界中のすべての人が"それは違う"と言ったとしても"こういう理由であなた方のほうが間違っている"と言わなければならない存在なのに?」

と怒り、学者の仕事は、まだ誰も知らない現象やその説明理論を見つけることだ、という主張や、

「生物の進化や生態の研究には、まだまだ何が出てくるかわからない驚きが残っていると私は思いますし、驚きがないのなら、そんな研究はもうやめた方がましだと思います。人生もそうかもしれませんが、いつも永遠の夏じゃないからこそ、短期的な損得じゃない幸せがあると思うからこそ、面倒臭い人生を生きる価値がある、とは思いませんか?」

という結びは素敵だ。
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