日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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文:○ ストーリー:◎

新ヨゴ皇国という架空の国が舞台のファンタジー。
もともと、児童文学だったものを大人向けに漢字を増やしたものらしい。

「ファンタジー = 何でもアリ」なのではなく、ファンタジーというのは、いかに「ある世界」を作り出すか?という作業で、文化人類学者である著者は、建国の神話、先住民の伝承、先住民と新しい住民との違い、民俗、社会制度、精霊と人々の関係、などなど実に緻密に、かつ余計なものなく1つの世界を作り上げている。それがまず見事!

また、小説たるもの、世界をつくりあげるだけではなく、その世界でもって、物語をアピールできることが大切。

物語は、年のころは11~12歳の少年皇子が精霊の卵を産みつけられ、それゆえに父帝からの刺客や、卵をねらう魔物におそわれ、女用心棒や先住民の呪術師らと共に、精霊のナゾをときながら、卵を無事に孵そうとする、というモノ。
物語に、作り上げられた世界観がからみ、物語の進行とともに、世界の仕組みが明らかになってゆく。

物語のテンポも早く、先が気になり読み急いでしまう。
女用心棒が敵とたたかう戦闘シーンも、飛ばさずに読めるあたり、文章力もなかなかだ。

いいセリフも出てくる。世界はファンタジーでも、そこに人がいる限り、人の幸せ、不幸せは、やはりある。女用心棒は、その出生のために、追っ手から必死で逃げるつらい生活を送り、育ての親をそれに巻き込んで不幸にしたのではないか?という負い目を感じていた。その育ての親のセリフ。

「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ、不幸がいくら、幸福がいくらあった。金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ」

ファンタジーだから、全てが魔法で丸く収まるわけでは決してなく、どうしようもない事もある。それはこの世界と同じ。
それに立ち向かう登場人物たちの姿が、いとおしい。

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2008/06/04(水) 02:49 | | #[ 編集]
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