日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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文字だけの絵本のような一冊。

月舟町に住む主人公は「雨降りの先生」と呼ばれている。名前は無いが、皆から「つむじ風食堂」と呼ばれる食堂の常連だ。
何も起こらない穏やかな生活を描いただけだが、出てくる言葉がおとぎ話のようで、物語全体を淡く彩るのが可愛らしい。帽子屋ののおじさん、「エスプレーソ」をつくる銀色の機械、屋根裏部屋があるアパートメント、深夜まで店をあけオレンジに電球の光を反射させた淡い光で本を読んでる果物屋の主人、古本屋にあった立方体の箱のように分厚いらくだ色の質素な革表紙の本『唐辛子千夜一夜奇譚』…。

物語の出だしは、こんな感じ。

『その食堂の皿は本当に美しかった。
 何の面白味もない、いたって平凡な丸皿なのだが、ひと皿を平らげたあとに現われるその白さが、じつに清々しくてよかった。
 よく見ると、皿の白さには無数の傷が刻まれてあり、ずいぶん長いことナイフやらフォークやらを相手にしてきたことが窺い知れる。』

こんな風に、何かあるかと言われれば何もない光景や出来事が、丁寧におとぎ話のように長々と語られてゆく。
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