日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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8つの短編。

表題作の「モノレールねこ」では、主人公の小学生が、伝書鳩ならぬ伝書猫をつかって、首輪に手紙をはさんで、見知らぬ相手と文通する。
こういう、日常にありそうだけど本当にあったらちょっとしたファンタジーになるようなエピソードが、なかなか可愛らしい。

また、モノレールねこ、という命名がいい。
タイトルだけ見た時は、その名前の由来がわからなかったが、読んだら、納得。想像して、クスっと笑ってしまう。あーわかる、と思う。
著者は、日常にある、こういう何気ない景色を見て、楽しめる人なんだろう。そういうの、好きだ。

「いかにもお涙ちょうだい」なストーリーが多かったが、軽くてコミカルな文体と、真摯なぬくもりが感じられるまなざしと、読み手の予測の半歩先をいく小さなビックリがうまくちりばめられていて、こんなんで泣かないぞーという天邪鬼な気持ちにならず、素直に泣けた。

得意の「日常の謎」を解く話は無いが、面白かった。

「セイムタイム・ネクストイヤー」の小さなビックリは特にうまいなあ、と思う。
悲しい話だけど、悲しさだけでなく、小気味よい展開と、上等なビロードのような手触りのあたたかさがあって、この本の中では比較的オトナっぽいしっとりした幻想的なムードが漂う。


収録作品:
「モノレールねこ」
「パズルの中の犬」
「マイ・フーリッシュ・アンクル」
「シンデレラのお城」
「セイムタイム・ネクストイヤー」
「ちょうちょう」
「ポトスの樹」
「バルタン最期の日」

やわらかい色彩の表紙の絵が可愛かった。
コメント
この記事へのコメント
惹かれて読んでみた~。なかなか面白かったな。モノレールねことバルタン最期の日が好き。初めて読んだ作家さんだけど、こういう感じわりと好き。読むぞって気合いを入れすぎずに読みたい時に、良い。
2009/06/28(日) 20:53 | URL | ちほ #-[ 編集]
この人のは、普段は日常のちょっとしたミステリを扱った作品が多くて、北村薫みたいな感じ。
私もけっこう好きだ。いま徐々に集めてる。
2009/06/29(月) 13:00 | URL | いと #-[ 編集]
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