日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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この本を読んでいると、口の中や体に砂がまとわりつくような不快感を覚える。
でもそれが快感になる。

昆虫採集に出かけた男が、海ぞいにある、砂ばかりの土地で、部落ぐるみの企みによって、砂の壁に囲まれた穴の中の家に閉じ込められ、その家に居た女と共に、降り積もる砂を除きながら暮らす事になる。
その設定は奇抜だが、そこでの暮らしの描写はしつこいくらいにリアルで緻密で、変な現実感がある。
砂がからむ描写が特にリアルで、だから砂を肌に感じてしまう。

果たして男は脱走できるのか!?とストーリーを楽しむというより、そのしつこい描写をねっとりと楽しんで読んだ。
ぜひ。蒸し暑い所で読んで、湿気くさい、狭い、暑い、砂だらけの家の不快さをじっくり味わいたい。

最後に冷たい水が登場する。
極端に水気がないから、それがすごく清く冷たい水に見えて痛烈に気持ち良かった。
ねっとりと不快さを味わって、それが慣れて快感になるころ、この水の爽快感が印象に残る。

20ヶ国以上で翻訳された名作らしいが、翻訳でこの雰囲気出るのかしら、と思った。

amazonに出ている文庫は新しいのか、私が読んだ新潮文庫はこういう表紙だった。こっちの方が本の内容に合ってると思う。
砂の女
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