日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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安楽椅子探偵ミステリと野球が混ざったちょっと変わった趣向の、ほのぼのした本。
地味だけど面白い。
加納朋子とか、北村薫を思い起こす。

見縞市を本拠地とする、パ・リーグの球団、東海レインボーズ。
万年最下位で、球場はいつもガラガラだが、そのファンの姿勢は真摯で、ホンモノの野球を愛する人々だ。

亡き夫の跡をついで、レインボーズのオーナーを務める未亡人・虹森多佳子は、ろくにルールも知らない野球オンチだったが、オーナーになったのをきっかけに、球場に足を運び、試合を眺めるようになる。
この多佳子の横に、常に解説役がつくので、野球を知らない読者にも、試合の流れがわかるようになる仕掛けがある。

物語は、5つの短編で構成される。
それぞれ主人公はさまざまな老若男女だが、いずれも舞台は球場。
謎をかかえた主人公たちが球場で話す内容から、多佳子は、おっとりとした口調で、卓越した推理を導き出す、というトコロが爽快。

それぞれに凝ったトリックがあるわけではないが、会話だけで推理する探偵モノだが、「えー何それ」という論理の運びはないし、それぞれの話が割とほのぼのとしていて、楽しく読める。


レインボーズの選手たちは、みな、色がつく名前で、「朱村」とか「緑川」とか「紫水」とか。
こういう遊びがあるのも嬉しい。

野球部分は私はあまり好きでなく、とばし読みがちだったが、「いまの試合を見ていて、思いましたの」というような推理の流れが、試合の流れとリンクしていて、野球好きにはまたいっそう楽しめるのでは。

なお、この本は初めは自費出版されたものが、口コミなどで広まり、創元推理文庫から刊行されたという珍しい経歴。あまり知られてないようだが、読んだ人には好評な模様。
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