日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
若かりし伊丹十三監督の、ヨーロッパ暮らしを綴ったエッセイ。
硬質なワガママというかこだわりが、キラキラと粋にきらめいて面白い。

読み始めは、何かちょっとキザで退屈だなー、と思っていたが、しだいに「フムフム」と真剣になり、キザで潔癖なこだわりが、快感になってくる。

あとがきに
「ヨーロッパ諸国と日本では風俗習慣はもとより「常識」そのものにさまざまな食い違いがある。わたくしは、これをできるだけ事実に即して書きたかった。」とあるように、著者の外国での暮らしでふれた実体験が、話題の根っこにある。
そこに思想とこだわりがのっかって、演技、映画、オシャレ、語学、スポーツカー、音楽、酒、料理などについて、彼のあらゆる美学が語られる。

たとえば、スパゲティの正しい食べ方。
スパゲティは、音を立てて食べるのは絶対のタブー。
音を立てないようにするには、フォークに適度な量の麺を巻き取る事が大切、と、正しい巻き取り方について述べる。
その述は、ヘミングウェイの一節に始まり、どこかユーモラスで厳しく、巻き取り方が緻密に伝授され、さいごはヘミングウェイの一節でまた終わる。

たとえば、カクテルについて。
「カクテルというものは、本当は愉しいものなのにねえ。」
晩餐前、夜早い時間に飲むものとして最適という。
ブランデイは食後の飲み物だし、ビールは満腹になってしまうし、ステーキの前に日本酒でもなかろうし、ウィスキーでもよいが女性同伴の場合はカクテルの方が良いと述べる。
そして、

「わたくしは、彼女の、その日の気分や、好み、アルコール許容度、そして服装の色などをおもんぱかって、これ以外なし、というカクテルをピタリと注文する悦びは、男の愉しみとしてかなりのものと考えるのだが、いかがなものであろうか。」

ステキだ。
こんな男性と飲みに行って、カクテルをピタリと選んでほしい。

以下、カクテルに関する覚え書きと、おつまにの記述が続き、ここで私は耐えられなくなって本を閉じる。

いかん。
猛烈に。
美味しいカクテルが飲みたい・・・。


マティーニ

(後日談)
結局その日は夜も遅かったため自宅でワインで我慢して、美味しいカクテルを求めて、しばらくさまよう事になる。
週末、やっと満喫。マティーニはカクテルの王様だ。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。