日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
生物と無生物のあいだ」の著者、福岡伸一が朝日新聞紙上でススメていた1冊。


新装丁の文庫が本屋に並んでいたので買ってみた。
東京イラストレーターズ・ソサエティ主催の企画展「わたしと、この一冊」で、イラストレーター・松尾たいこが描きおろしたカラフルな風景に2人の女の子が並ぶ可愛らしい作品がカバーになっている。

「介護士」という職業の主人公が、施設で育った子供時代を回想する。
介護士の仕事に関するちょっとした説明や、子供時代の仲間との思い出、親友との駆け引き、けんか、いじめられっ子や、みんなで絵を描いた記憶。
いかにもフツーで、けれど妙に、曖昧に語られる。

何かヘンだな・・と思わせるちょっとした違和感が、不安を醸成しながら積み重なっていって、次第に、その施設や主人公の正体が明らかに、なる。

その正体については、そう斬新なワケでもなく、ありがちな内容といえばそうだが、ものすごく悲惨なハズの主人公が、全く嘆くことも取り乱すこともなく、運命を淡々と語る押さえたトーンが、この作品の静かな魅力をかもし出している。

透明感のあるあきらめ、哀しみ、それでも人生や人を大切にする美しさ。それが魅力。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。