日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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どえらく!面白かった、気分爽快!

星新一のショートショートは、短くて文体が簡潔で、奇抜な発想で、唐突に宇宙人や不思議な生き物が出てきたりするのに、ちゃんと納得できるよう筋は通っていて、とても読みやすい。
夜、読み始めると、「もう1話だけ」が延々と続いて眠れなくなるので要注意だ。

全39話、うち最初の7話が、イソップ童話のパロディなので、このタイトルなんだろう。
おなじみの「北風と太陽」や「オオカミがきた」も星新一の手にかかると、風刺のきいた洒落たオチに。

中でも面白かったのは・・・

●少年と両親
ショートショートは、オチでそれまでの話の流れがクルリとひっくり返るのが面白い。星新一は、オチまでの話を生かしてその勢いをつけたまま、クルリとオチがくる。無理がないのに見事な逆転がうまい。
息子を溺愛する両親。それがクルリ、となると・・・。

●ある夜の物語
ハートウォーミングで微笑ましい。
パッとしない青年、クリスマスの夜を一人寂しく過ごしているところに、サンタクロースが現れる。
プレゼントは、物理的にモノをもらうという事よりも、プレゼントをもらったという気持ちが嬉しいよね、という事を思い出す。そしてプレゼントをあげる気持ちも嬉しいもの。

●奇病
たった2ページ、500文字程度の短さで立派な物語が。オチもあるし。見事だ。

●底なしの沼
地球人と異星人との長い戦争。お互い疲弊して休戦しようとするのだが・・・。
戦いは始めるのは簡単だけど、という教訓的な話。

●ある商品
ある日やってきた宇宙人が、ただで若返りの薬を提供する。
もちろん、タダより高いものはない系のオチが待っている。

●やさしい人柄
死刑囚専門の刑務所の心やさしい所長。囚人もこの所長には心を開いてくれるのだが、そんな囚人たちを死刑台に送るのがつらい毎日。そんなある日、奇妙な偶然に気がついて・・・というちょっとしたホラーをこんな短編でキレイに書けるのがすごい。


ストーリー:◎
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どんな奇抜なオチなんだ?と、ショートショートを期待して読んだのだが、この作品はふうわりと優しいファンタジーだった。その点がずれていたので、ちょっとがっかりな読後感。
平易で読みやすい文は相変わらず。

少年「僕」が、いろんな人の夢の世界をめぐる。
僕は、夢を見ている人の、現実の姿も垣間見ることができて、王子様が寝たきりの病人だったり、現実では華やかに笑っている人が夢の世界は悲しい街だったり、深い洞察だなあと思わされるのだが、ショートショートの過激さがなくて物足りなかった。

SFでもファンタジーでも、ありえない状況や見知らぬ世界を描くとき、だからといってデタラメでよいわけではなく、その中では筋が通っていたり、つじつまがあっていないと気持ち悪い。
放置すべきところは放置し、説明をつけるところはつける。
その創り方が、星新一は、やはりうまいと思う。

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