日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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●主人公は25歳独身女性。何ひとつ自由を許してくれなかった厳格な父親をもち、そのせいで兄、妹と共にどこか父親へのトラウマを抱える。その父親が亡くなってから、実は浮気をしていた事がわかり、「学校の連絡網ですら異性からかかってくるのを許さない」くらいのあの父が・・!?とショックを受けた兄妹たちが、父親の故郷をたずね、ルーツを探る。というハナシ。


カラフルの作者の2冊目、児童文学畑の著者が大人の世界を描いた初の長編小説らしい。

なんだろう。カラフルの時のような鮮やかな感動がなかった。
読みやすいけれど、うすらぼんやりして、あまり残らない。


『愛しても、愛しても、私自身はこの世界から愛されていないような、そんな気が心のどこかでいつもしていた。
受けいれても、受けいれても、私自身は受けいれられていない気がしていた。』

それを、どこか父親のせいにしていた、主人公。

『けれどもそれは私が父の娘であるせいではなく、(略)、自分自身のせいですらなく、なべて生きるというのは元来、そういうことなのかもしれない、と。
 誰の娘であろうと、(略)、人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、受けいれても受けいれても受けいれられなかったり。それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。』

と突然に悟るあっけらかんとした潔いあきらめが印象的。
が、カラフルの時の「楽に生きたらいいじゃん」というのと根底は同じメッセージなんだが、何だか物足りない。カラフルの伝え方の方が自然な感じでよかった。

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文:○ ストーリー:○

森絵都というのは、初めて読んだ作家さんだが、面白かった。最初の1冊が面白いと、「こんど見かけたら他の本も買おう」リストに追加される。楽しみが増えるようでうれしい。
児童文学畑の方のよう。道理で、文章が読みやすくてわかりやすい。平易だけど、下品ではない。


死後の世界をただよっていた「ぼく」が、抽選に当たったとかいうワケわからん理由で、再び現世に戻り、自殺した「小林 真」少年として、生きることに。
本来なら「ぼく」は、生前の罪とやらのため、二度と生まれ変わることができない魂なんだとか。

が、このチャンスをものにして、「小林 真」として生き、その間に、自分の生前の罪とやらを思い出すことができたら、輪廻の輪に戻してくれて、ふたたび生まれ変わることができるという。

そう説明してくれたのは、天使。
この天使にいろいろアドバイスをもらいながら、「ぼく」は、「小林 真」として生活をはじめる。

自殺した少年だけあって、「小林 真」の周りはなかなかすさんでいる。周りの人の本性=イヤ~なところがだんだん見えてきてげんなりするのだが、後半、そうではない部分も見えてくる。

これがタイトルにもなっているテーマで、人間は、みんないろんな色を持っている、と。
キレイな色も。汚い色も。

「ぼく」の語り口調による、軽快でユーモラスな文体。すごく読みやすい。
「ぼく」にとっては、所詮、すべて「小林 真」という仮の体の出来事なので、常にどことなくつきはなした、適当~な言い方。その距離感がここちよい。

軽いけども、決して内容がないわけではない。大切なことをあくまで軽~くさらりと、この本はいう。

天使は、人生をちょい長めのホームステイだと思えばいい、と「ぼく」に言う。
ステイ先は選べないし、自分からリタイアも辞退もできないけれど、ルールはない。与えられたステイ先で、せいぜい数十年、好きにすごせばよいのだ、と。
そんな風に考えられれば、楽に生きられるような気がしてくる。

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