日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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オビの「心に沁みるミステリの隠れた傑作 温かい感動の輪が広がり、45万部突破!!」に惹かれて買ったものの、いまいち読みにくくて感情移入できなかった。

ミステリーと言いつつ、殺人者(犯人)の動機があんまりしっくりこない。ミステリーの醍醐味の1つは、なぜ犯罪を犯したのか?犯人の動機をうまく語ることだと思う。

●仕事にかまけている間に妻と子を亡くし、ホームレスになった男が、ふらりと流れ着いた街で、10年以上昔に命を助けた少年に再会する。
自分を押し殺し、何も考えないようにしていた男が、少年とのやりとりや、身近に起きる殺人事件で、次第に自分を思い出し、とり戻し、事件を調べる羽目になる。
被害者は全員、少年が「哀しくてかわいそうだ」と言った人々。年の割に大人びて聡明な、だけど男にとって唯一、「よい事」をしたと胸をはって命を助けた少年が犯人なのか?

何がしっくりこないのか?と考えると、たとえば、初めに放火される家は「川路」家。物語の後半、この家の名前がふたたび登場するが、前半「川路」という名前は2回しか出てこず、印象に残らない。後半でその名前を見ても、「ん?誰だっけそれ?」と戸惑ってしまう。
こういう戸惑いが、物語にのめりこませてくれなかったのかと思う。

テーマとして、少年が主張する、「人は森を出て、よりよい生活を求め、サルから進化して、本当に幸せだったのか?失うことへの不安、得られないことへの不満を手にしただけなのでは?」という考えは面白い。
このテーマがもっと物語としっくり噛み合うと面白い作品になりそう。

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