日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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映像的な出だしが魅力的。
特徴的な3人の会計検査院の調査官が東京駅ホームを歩く場面から始まる。
アイス好きで強面の副長「鬼の松平」、ずんぐりむっくりしたおとぼけキャラ鳥居、長身の才媛ゲーンズブール。
3人が大阪へ向かう新幹線から見える富士山、そこに昔、鳥居が見たという十字架の幻覚の思い出話が続き、テンポのよいかけあいの後、美女ゲーンズブールがニヤリと笑ってポッキーを白い歯で割るシーンで場面が切り替わる、というのも映画のよう。

次へ次へと進む、映画のような映像的な物語は、読んでる間、実に楽しい。
が、読み終わってみると、結局この話は何が言いたかったのかしら?とあまり残らない。

大阪が抱える秘密。その伝統。大阪全停止とか、描かれ方がたいそうな割には、結局みんながやった事とか、何故調査官たちと対決する羽目になったのかとか、解決の仕方とか、なんだかあまり印象に残らず、ぱっとしない。大風呂敷を広げられたけど、中身があまりない、といった印象。著者はそういうエンターテイメントを書きたかったのかもしれない。
鴨川ホルモーのほうが素朴で面白かった。

動きと音のあるアニメとか映画で見て楽しみたい作品。
あと、登場人物たちの名字が、戦国武将の名を受け継いでいるところがちょっと楽しい。

『(略)車が左折したところで、鳥居が急に、
「あ」
と甲高い声を上げた。
壁面に描かれたレリーフを太陽の光に燦然と輝かせ、大阪城天守閣が、足元に広がる森を従え、そびえ立っていた。
「さあ、仕事の時間だ。鳥居調査官、ゲーンズブール調査官」
静かな闘志をこめた松平の低い声が、厳かに車内に響いた。』


『エレベーターの前に着いたところで、鳥居が「最近は一日にどのくらいアイスを食べるんですか?」と訊ねた。
「五個」
「少し減りましたね」
チンという音とともにエレベーターが到着し、二人は中に乗りこんだ。』


『「なあ、真田」
机の上に両手を置き、後藤はゆっくりと語りかけた。
「世の中でいちばん難しいことって何やとおもう?」
両手の指を組み合わせ、後藤は深みのある声で尋ねた。(中略)軽くうなずき、あとを続けた
「ずっと、正直な自分であることや」』
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