日々の読書

日々、つれづれなるままに読んだ本の、感想おきば
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ユリウス・カエサル。
英語読みすれば、ジュリアス・シーザー。

紀元前100年ローマに生まれ、建国以来続いていたローマの元老院議員らによる共和制統治に限界を感じ、帝政の礎を築いた英雄。

そのカエサルが、共和制打倒のために兵をおこす前、広大なガリア(現在のフランス)をローマ支配下におくべく、8年間かけた遠征の記録、それがこの「ガリア戦記」。
カエサル本人の手によるもので、政治家でも軍人でもあったカエサルは、文才もあったようで、「簡潔、明晰かつ洗練された文体」と名高い。

カエサルと同時代の文筆家・キケロによると・・・
「これらの巻はすべて、裸体であり、純粋であり、人間が身につける衣服にも似たレトリックを、完全に脱ぎすてたところに生まれる魅力にあふれている。
カエサルは、歴史を書こうとする者に史料を提供するつもりで書いたのかもしれないが、その恩恵に浴せるのは、諸々のことをくっつけて飾り立てた歴史を書く馬鹿者だけで、思慮深く懸命な人々には、書く意欲を失わせてしまうことになった。」


地名、人名、ガリアの部族名が、なじみにくいカタカナ(「ノウィオドゥーヌム」とか「ピートゥリゲース族」とか・・・)なのが非常に読みづらいが、確かに少ない言葉・的確な説明で、淡々と、戦いの様子、各部族とのやりとり・駆け引きのみならず、遠征先各地の文化・風習や、民族の違いを考察したり、読み応えあり。面白かった。

ただ、この本だけを単独で読んでいたら、何がなんだかさっぱりわからなかっただろう。
ガリア戦記にいたるまでの状況が実にわかりやすく書かれている塩野七生の「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前」を前もって読むことをオススメする。
ガリア人側から見たガリア戦記、佐藤賢一の「カエサルを撃て」もあわせて読むと面白いかも。

カエサルがガリア総督をしているときに、あるガリアの一部族が大移動したために起こった混乱から始まる戦いを皮切りに、収めてはまたおこるガリアの反乱を各地で鎮め、兵士達を叱咤激励しながら、ゲルマン(今のドイツ)やブリタニア(今のイギリス)にも遠征し、最後はガリアのほぼ全部族が一斉に起ち、ローマ軍5万、ガリア人30万の大決戦に苦戦しながらも勝つ、という一大戦記。

なのに、最後は実にあっさり終わる。
「この年のことがカエサルからの手紙でローマに知れると、二十日間の感謝祭が催された。」

このころの感謝祭は、通常10日間、それがこの偉業に対しては20日間も特別に催された、などと書いてない所がニクい。



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